ボスのキリスト教徒としての真面目さがよく理解できる1枚の板絵があります。神が見ている中で繰り広げられる人間の愚かさをユーモラスに誇張して描いた《七つの大罪と四終》(1505-10年頃)です。この絵をはじめ人間の愚かさを表現した絵を見ていくと、ボスの生涯のテーマが理解できるでしょう。

文=田中久美子 取材協力=春燈社
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